Firefoxの縮小版(?)のWebRunner
WebRunnerは、Mozillaプラットフォーム・エバンジェリストのMark Finkle氏が取り組んでいるプロジェクト。
Site-Specific Browserと呼ばれるブラウザで、特定のサービスに特化するためのブラウザです。
Firefoxなどと同じ、Geckoと呼ばれるエンジンを使用しています。
では、なぜそもそもSite-Specific Browserなどと呼ばれる専用のブラウザが登場したかというと、
現在は、Web上にさまざまな情報を保存するのが流行っています。
たとえば、メールは、Gmailと言う感じに、メーラーではなくブラウザがメーラの役目を果たしメールはサーバに保存されます。
もちろん、これらのサービスはFirefoxなど普通のブラウザで使う事が出来ますが、
閲覧中のページ以外のページやセッションのデータを盗み取られる可能性のあることが有名です。*1
大した情報をサーバに保存していなければ良いのですが *2、メールなど個人情報が含まれる情報などが盗まれるのは大変危険です。
しかし、残念ながら、Firefoxやその他ブラウザでは、現在では完璧ではありません。
そこで登場したのが、そのサイト・そのサービスに特化したブラウザであるSite-Specific BrowserのWebRunnerです。
利点は、他にもあります。
先に挙げたGmailの場合、普通Gmailを使用するにはブラウザでアクセスする必要があります。
しかし、WebRunnerでGmailにアクセスした場合、一つのアプリケーションを扱っているかの様に扱えます。
そうメーラを扱っている様に。
現在は、メーラにとどまらず、カレンダー、ワープロソフト(Word)、表計算ソフト(Excel)、さらにはOS *3 までをブラウザでやってしまおうと、動き出しています。
現在のWebrunnerのヴァージョンは0.5 *4 と、まだまだですが、少し未来を感じる事が出来ます。
そして、まだヴァージョンが0.5なので、成長段階です。
たとえば、Google Docs & Spreadsheetsなどは、保存したファイルを読もうとすると、デフォルトのブラウザで開いてしまいます。*5
新規作成などは、問題なく利用出来ます。
しかし、まだ日本ではあまり有名ではないので情報が集められなかったりします。
まず、Webrunnerは、http://wiki.mozilla.org/WebRunnerで、ダウンロードする事が出来ます。
Windows、Mac、Linuxのインストーラーが用意されているので、自分の使用しているOSにあったインストーラーでインストールして下さい。
インストールするとデフォルトで、Gmail、Google Calendar、Google Docs & Spreadsheets、Google Groupsの専用ブラウザが用意されます。
と、言っても、実際にはブラウザ自体は一つで、専用のリストが用意されている形になります。
先にも述べた通り専用のブラウザなので、ネットバンクなどは、Webrunnerで扱った方がよりセキュアかと思います。
自分の専用のブラウザが欲しくなったら、.webappファイルを作成するだけでokです。
簡単ですので、作ってみましょう。
Windowsの場合は、適当なテキストファイルを作って下さい。
そして、
[Parameters]
uri=http://www.hogehoge.com/
icon=webrunner
showstatus=yes
showlocation=yes
enablenavigation=yes
と、書けば良いだけです。
最初は、すでに用意されている、gmail.webappなどをテキストファイルで開けばわかると思います。
uriは文字通り専用にしたいサイトのURLを記述して下さい。
iconは、Webrunnerをインストールしたディレクトリ内のchrome\icons\defaultにあるものを指定して下さい。
ない場合は、webrunnerでokですが、自分でicoファイルを用意してそのicoのファイル名記述してもokです。
showstatusは、ステータスバーを表示するか否か。
showlocationは、ロケーションバー(アドレスバー)を表示するか否か。*6
enablenavigationは、ホットキーを使用するか否か。*7
C:\Documents and Settings\[ユーザネーム]\Application Data\WebRunner\Profiles\[ランダム文字列].default*8に、
user.jsを用意すれば、Firefoxと同じように設定が出来ます。
user.jsに、以下を書き込めばフォントを変更出来ます。
//既定のフォント
user_pref("font.name.sans-serif.ja", "フォント名");
user_pref("font.name.monospace.ja", "フォント名");
user_pref("font.size.fixed.ja", フォントサイズ);
user_pref("font.minimum-size.ja", フォントサイズ);
たとえば、
user_pref("font.name.sans-serif.ja", "MS Pゴシック");
user_pref("font.name.serif.ja", "MS P明朝");
user_pref("font.size.fixed.ja", 16);
user_pref("font.minimum-size.ja", 12);
の様に。
Pluginを使用したい場合は、Webrunnerをインストールしたディレクトリ内のxulrunner\pluginsにPluginをコピーすれば使える模様。
Webrunnerをインストールしたディレクトリ内のchrome\content\webrunner.xul内に、
ブラウザのウィンドウサイズ、ウィンドウを表示する座標の設定があるので、任意に書き換えれば変わります。
書き殴りですが、Webrunnerの説明&簡単な使い方です。
Webrunnerという専用ブラウザが日本でも多く紹介され、情報が出てくる事を期待しています。
まだ日本では、ニュースサイトにちょこっと出てるだけみたいなので。*9
*1:Cross Site Request Forgeries
*2:極端な話そのIDが奪われてしまっても構わない場合
*3:語弊がありますが。StartForce、YouOS、eyeOS、Desktoptwo、goowy、Xindeskなど
*4:Windows版は、Mozilla/5.0 (Windows; U; Windows NT 5.1; en-US; rv:1.8.1.2pre) Gecko/20070201 Webrunner/0.5 と、なっています。
*6:Webrunnerでは、ロケーションバーは表示専用で入力禁止に設定されています。表示するだけです。
*7:履歴を戻る、進む、ホーム。ALT+LEFT, ALT+RIGHT and ALT+HOME
*8:%APPDATA%\WebRunner\Profiles\[ランダム文字列].default